マンション建築の専門知識
構造・遮音・断熱・設備・修繕まで、建物の中身を一級建築士・元ゼネコン施工管理の視点で。
2026/09/24
旧耐震・新耐震・2000年基準の違い
中古マンションを探していると、旧耐震・新耐震という言葉をよく目にします。建物に求められる地震への強さは、大きな地震が起きるたびに見直されてきました。どの時期の基準で建てられたかで、地震への強さだけでなく、住宅ローン控除などの扱いも変わります
2026/09/24
戸建とマンションで構造計算はどう違うか
建物は、設計の段階で、建物自身の重さや家具・人の重さ、地震や台風の力に耐えられるかを計算で確かめてから建てられます。これを構造計算といいます。どこまで細かく確かめるかは、建物の種類と大きさによって法律で決められていて、木造の戸建、鉄筋コンク
2026/09/24
マンションの耐震等級はなぜ1なのか
耐震等級とは 耐震等級は、建物が地震にどれだけ強いかを3段階で表す指標です。国の住宅性能表示制度で決められていて、第三者の評価機関が図面と現場を確認して等級を付けます。 等級1:建築基準法で最低限求められる強さ。数百年に一度程度の大きな地震
2026/09/24
鉄筋コンクリートを理解する
鉄筋コンクリートは、コンクリートの中に鉄の棒(鉄筋)を入れて一体にした材料です。橋やトンネル、ダム、学校や病院など、身の回りの大きな建物や土木構造物の多くがこれでできています。 マンションも同じで、日本の分譲マンションのほとんどは鉄筋コンク
2026/09/24
タワマンの在来工法とPCa工法
Xで、あるタワーマンションについて「在来工法だから不安」という趣旨の投稿を見かけたのが、この記事を書いたきっかけです。PCa工法のほうが品質が良く、在来工法は劣る、という受け止め方があるようです。 タワーマンションの骨組み(柱・梁・床)のつ
2026/09/18
サッシとガラスが住環境を左右する
マンションで一番熱と音が出入りするのは窓(開口部)です。 壁がどれだけ立派でも、窓が弱ければそこから出入りします。 窓の性能はガラスとサッシ(枠)という2つの部品の掛け算で決まり、 どちらか片方だけ良くしても効きません。 ガラスの種類は実質
2026/09/16
マンションにおける換気方式の違い
この白いカバー、住んでいる部屋の壁で見たことがあるはずです。これは自然給気口(レジスター)といって、壁に開けた穴に付けるフタです。居室の壁にこれが付いていたら、その住戸は第三種換気。逆に、居室のどこを探してもこれが無く、天井に給気の吹出口が
2026/08/28
「長谷工っぽい」とはなんなのか
この画像はAIに描かせた架空のマンションです。長谷工っぽいでしょう? 14階か15階建て。横に長い板状。バルコニーが全部の階で水平にまっすぐ続いていて、凹凸がない。短辺の壁だけ濃い色で、そこに小さな窓が縦に並んでいる。手前には広い平面駐車場
2026/08/03
断熱等級と省エネ基準 — 等級4は新築の最低ライン
2025年4月から、すべての新築住宅に省エネ基準への適合が義務づけられました。あわせて「断熱等級6」「ZEH水準」といった言葉を広告で見る機会も増えています。ただ、義務化された省エネ基準は断熱等級でいうと等級4で、今の基準の中では下のほうの
2026/08/01
共用施設と管理費 — 「使わないラウンジ」に毎月払う構造
スカイラウンジ、ゲストルーム、ジム、プールといった共用施設は、タワーマンションの売りのひとつです。ただしその維持費は、使うかどうかに関係なく全戸が管理費で負担します。一度も入ったことのないラウンジにも、毎月お金を払い続けることになります。
2026/07/31
給湯・空調・電気とガス — オール電化タワマンの落とし穴
給湯・空調・エネルギー(電気とガス)の設備は、間取りや眺望に比べて目立ちませんが、住み始めてからの快適さと光熱費、災害時の暮らしやすさを大きく左右します。タワーマンションに多いオール電化には、メリットと弱点の両方があります。 オール電化とガ
2026/07/30
給水とエレベーター — タワマンの「見えないインフラ」
タワーマンションの暮らしは、水を上まで届ける給水設備と、人を上まで運ぶエレベーターに支えられています。普段は意識しませんが、災害や停電でこの2つが止まると、高層階では生活が続けられなくなります。 水をどう上げるか — 4つの給水方式 マンシ
2026/07/28
長期修繕計画と修繕積立金 — 国交省ガイドラインで「不足」を見抜く
マンションを買うと、住んでいる間はずっと修繕積立金を払い続けます。その積立金が将来の修繕に足りているかどうかは、中古マンション選びで見落とされやすい点です。 国土交通省のガイドライン(最新は令和6年=2024年6月改定)には、積立金が足りて
2026/07/26
戸境壁の遮音 —「乾式界壁」は薄いのに大丈夫なのか
隣の住戸との境の壁を戸境壁(こざかいかべ)、または界壁と呼びます。 隣戸の生活音は、この戸境壁を通して伝わってきます。 多くのタワーマンションでは、戸境壁がコンクリートではなく、乾式界壁という軽い壁でできています。 薄く見えるこの壁で遮音は
2026/07/25
内廊下と外廊下 —「ホテルライク」の裏にある法規と維持費
タワーマンションでは、内廊下は高級というイメージが定着しています。 ホテルのような内廊下は確かに快適ですが、その裏には建築基準法上の設備の要求と、管理費に響く維持コストがあります。 内廊下と外廊下の違いを、法規から維持費、資産性まで順に整理
2026/07/24
天井高と階高 — 「天カセ」「二重天井」まで、高さの正体
内見で天井が高く開放的に感じる住戸があります。その感覚を決めているのは天井高(てんじょうだか)ですが、天井高の上限を決めているのは、その裏にある階高(かいだか)という設計寸法です。 階高との関係を知ると、二重床・二重天井だと天井が低くなりが
2026/07/22
大阪の地盤と液状化 — 上町台地と低地、ハザードマップの読み方
マンションは建物の性能に目が向きがちですが、建っている地盤は災害時の安全と資産性に直結します。 大阪の地盤の特徴と、液状化・ハザードマップの読み方を整理します。 大阪は台地と低地で地盤が大きく違う 大阪平野の中央には南北に細長い上町(うえま
2026/07/18
二重床と直床の違い —「二重床=静か」は本当か?
マンションの床には、直床(じかゆか)と二重床(にじゅうゆか)の2つの方式があります。 二重床のほうが高級で静かだと思われがちですが、遮音の性能は床の方式だけでは決まりません。 構造の違い、遮音、リフォームや資産性への影響を順に整理します。
2026/07/18
耐震・制震・免震はどう違う? 一級建築士が構造の中身を解説
マンションの広告でよく見る耐震・制震・免震。免震がいちばん優れていると思われがちですが、実際はそう単純ではありません。 3つの方式がそれぞれ何を、どこで、どう制御しているのか、中古を選ぶときにどこを見ればよいのかを整理します。 大前提:耐震