中古を買ってリノベーションするなら、間取りや水回りをどこまで動かせるかが価格判断を左右します。内装は自由に変えられますが、構造・配管・排水には物理的な制約があり、内覧で見誤ると、希望の間取りにできない、追加費用が膨らむ、といったことになります。
変えにくい・変えられないもの
- 構造の壁・柱・梁:壁式構造は撤去できない耐力壁が多く、間取り変更に制約が出る。ラーメン構造(柱・梁で支える)は比較的自由度が高い
- PS(パイプスペース)の位置:排水の縦管が通る場所。縦管は共用部分なので基本的に動かせない
- 排水の勾配:水回りを移動できるのは、排水管の勾配が取れる範囲に限られる。キッチンや浴室を縦管から遠くへ動かすほど床を上げる必要が出て、天井高を圧迫することもある
- 玄関ドア・窓・バルコニー:共用部分(バルコニーは専用使用権付き)なので、個人の判断では交換・改造できない。玄関ドアで専有部分なのは錠と室内側の塗装だけで、窓の断熱改修などは管理組合の承認を得て行える場合がある
変えやすいもの
- 内装(床・壁・天井の仕上げ)、構造でない間仕切り壁、水回り設備の入れ替え、収納
内覧で確認すること
- 構造種別(壁式/ラーメン):パンフレット、重要事項説明書、管理会社の資料で確認
- PSと水回りの位置関係:動かしたい水回りが排水縦管からどれだけ離れるか
- 床の構造(二重床/直床):二重床は配管の取り回しや更新がしやすく、リノベの自由度が高い。直床は水回りの移動に制約が出やすい(詳しくは二重床と直床の違い)
- 天井の構造(二重天井/直天井):配線やダウンライトの自由度に関わる
- 管理規約のリフォーム制限:床材の遮音等級の指定、工事の届出、作業できる時間帯など
安く見える中古の注意点
物件価格が安く見えても、構造や配管の制約で希望のリノベができない、費用がかさむ、というケースがあります。物件価格とリノベ費用の総額で比べて、初めて割安かどうかが分かります。内覧の段階でどこまで変えられるかの見当をつけておけば、リノベ計画の失敗を防げます。
※リノベ前提の中古の内覧に、構造・配管まで確認できる一級建築士が同行する内覧同行を承っています。